魂から魂へ

「それがなかったら生きてはいけないってものは、マリにとっては何?」
ある時、ピアノのレッスンで7歳の子供が私に尋ねました。「そうね、音楽かな」 「ええっ?ぼくはご飯だよ。」それはそうね、と思わず彼の答えに笑ってしまいました。その一週間後です、彼は言いました。「よく考えたのだけれど… ぼくにとって(大切なの)はぼくの友達だよ」 そう、本当にそうです。

強がりで負けず嫌いな面のある私は、ひとりで何とかできるだろうと日本を飛び出してしまいました。が、その自負はすぐに消え去りました。

ドイツに住み十年近くになります。その間、大小はともかく何とまぁたくさんの"事件"、"事故"が、人間の上に起こりえるものか、あるいは私の場合起こしえると言ったほうが正しいのでしょうが、いずれにせよ身をもって知りました。それらにひとりで立ち向かっていたとしたら、ずっと以前にへこんでしまったものです。あるいはひとりで何をもできたとして、それがわたしの人生を豊かにしたでしょうか。いいえ、人間はひとりで立っているのではないのですね。私はたくさんの人々の力を、励ましを通して、そして彼らとともに、わたしの今日をもちます。

心からの感謝をこめて
古屋真理